ヘルシーライフ
薬局からのお便り「子どもへの薬の飲ませ方」
子どもが薬を飲みたがらない、うまく飲めない、嘔吐してしまうといったとき、ちょっとした工夫をすることで 対応できることが少なくありません。今回は、そんなヒントをご紹介しましょう。
3歳以下のお子さんに多く処方されるシロップ剤は、注入用シリンジやスポイトを用いるとうまくいくことが多くあります。その際、口の奥のほうに入れると誤嚥を起こすことがあるので、頬の内側につたうように少量ずつ入れるようにしましょう。
ミルクを飲んでいる赤ちゃんであれば、哺乳瓶の乳首にシロップ剤を入れて飲ませる方法もあります。最初に空の乳首を吸わせ、吸い始めたら乳首にシロップ剤を入れます。ただし、一度試して嫌うようなときは止めましょう。乳首を嫌うようになり、ミルク嫌いにつながる可能性があります。
粉薬(散剤)は少量の水やぬるま湯でペースト状にし、上顎や頬の内側にさっとこすりつけ、水やぬるま湯を飲ませます。少しゆるめに溶き、シロップ剤と同様に服用させてもよいでしょう。ミルクの中に薬を混ぜるとミルクの味が変わって赤ちゃんがミルク嫌いになることがあるので、この方法はあまりおすすめできません。
ジャムやヨーグルト、プリン、コンデンスミルクといった甘い食べ物や、アイスクリームやかき氷などの冷菓と混ぜて、薬の味を感じにくくさせるのもよいアイデアです。このときのポイントは、必ず食べきれる量を考えて混ぜること。なお、1歳未満の赤ちゃんには、乳児ボツリヌス症を発症する危険があるので、はちみつは使用しないようにしてください。また、熱いスープや食べ物に混ぜると、薬が変質することがあるので避けましょう。
最近、服薬補助ゼリーといって、ゼリーの上に粉薬をのせ、さらに上からゼリーをかぶせて飲み込む商品が売られています。袋型やフルーツ味のオブラートもあります。こうした補助グッズを利用するのもおすすめです。
5歳くらいになると一般的に、錠剤やカプセル剤を飲み込めるようになります。錠剤やカプセル剤は水またはぬるま湯と一緒に飲ませます。飲めない場合は、服薬補助ゼリーを使ってみるのもよいでしょう。それでも飲み込めない場合には、薬剤師に相談しましょう。
どのようなタイプの薬でも、ちゃんと飲めたときには褒めてあげましょう。嬉しくなって、また頑張って飲もうとしてくれます。これも子どもに薬を飲ませるときの大切なポイントです。