ストーマ用品の販売 


日常生活について

【食事】

ストーマをつくっても、とくに食事が制限されることはありません。体調に合わせて食品を選び、バランスのよい食事を心がけてください。食事にはゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べるようにしましょう。

食事
■バランスのよい食事とは

エネルギーを確保するための炭水化物(米、パン、麺など)を主食とし、身体を構成するためのタンパク質(魚、肉、大豆類、卵)を主菜として1食につき1~2品を選びましょう。またビタミン類やミネラルの補給のために、副菜として汁物や野菜、いも類を組み入れましょう。

バランスのよい食事  

■食事の工夫1:便秘のとき

便秘はバランスのとれていない食事、過度の緊張やストレス、運動不足など、さまざまな原因で引き起こされます。しかし腸そのものに問題のない便秘の場合は、食事の工夫である程度症状を改善することができます。

 

●十分な食物繊維を

食物繊維は野菜・豆類・きのこ類・海藻類・果物・こんにゃくなどにたくさん含まれています。食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がありますので、これら2つの食物繊維を上手に組み合わせて、毎食バランスよく食べるようにしましょう。

 

●十分な水分を

1日に必要な水分量は飲水、食物などを合わせて1,500ml以上です。

 

 

主食を玄米や雑穀、シリアルなどにすると簡単に食物繊維の量を増やすことができます。一日の野菜摂取量の目安:300~400g(生野菜なら両手1杯、加熱したものなら片手1杯)
 
 
食物繊維は、摂りすぎると腸管に溜まることがあります。繊維に逆らって切る、細かく切る、柔らかく煮る、ミキサーにかけるなどの料理法を工夫し、捕り過ぎにも注意しましょう。
■食事の工夫2:下痢のとき

下痢になる原因には、便秘と同様、バランスのとれていない食事、緊張やストレスなどがあります。腸に問題がなく、食品によって下痢を起こした場合は、その食品を控えたり、調理を工夫したりすることで予防・改善することができます。

 

●控えたい食品

アルコール、カフェイン、炭酸飲料、脂肪、豆類やきのこ類などの不溶性食物繊維、香辛料などは腸の働きや胃酸の分泌を活発にしますので、摂取を控えましょう。

 

●消化の良い食事を

高齢の方は、噛む力が弱くなる、腸の粘膜が萎縮する、胃酸分泌が低下するなどが原因で下痢を起こすことがあります。やわらかくて消化のよい食事を摂りましょう。

 

●水溶性食物繊維を

じゃがいもやりんご、バナナ、ももなどの水溶性食物繊維を摂ってみましょう。ごはん、もち、うどん、パンなども便のやわらかさを調節する効果が期待できます。

 

消化のよい食事を  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
水溶性食物繊維を
便秘のときは不溶性食物繊維を水溶性食物繊維をバランスよく、下痢のときは水溶性食物繊維を摂りましょう。
 
 
■食事の工夫3:便の臭いが気になるとき

便の臭いが気になるときは、臭いの強いねぎ類の野菜、肉や魚、乳製品などの高タンパク質・高脂肪の食品を控えてみましょう。また、腸内の善玉菌を増やす乳酸菌を含む食品、食物繊維なども有効です。

便の臭いが気になるとき
■食事の工夫4:ガスが気になるとき

ガスが気になるときは、以下のような原因が考えられます。

 

●食事のときに空気を飲み込む
●豆類、ごぼう、こんにゃく、きのこなど繊維が多い食品が発酵する
●メロン、ぶどうなど食品そのものに含まれるイースト菌が腸内で発酵する
●炭酸飲料やビールのガス
●脂肪の多い食品
●腸内細菌(悪玉菌と善玉菌)のバランスがくずれている

 

ガスを少なくするには、空気を飲み込まないよう口を閉じて食べるなどの工夫や、原因となる食品を控え、乳酸菌飲料や納豆・みそ・しょうゆなどを摂ることが大切です。またストレスがあると、飲みこむ空気が多くなるともいわれています。

 

主な食品表

ガスが気になるとき
主な食品表

 

【入浴】

ストーマやストーマ周囲の皮膚を清潔にすることは大切です。ストレスをやわらげ、心身の疲れを取り除く意味でも、できるだけ1日1回は入浴しましょう。

 

■入浴のタイミングと湯温

食後すぐに入浴すると排便することがありますので、食後しばらく経った、排便の少ないタイミングが最適です。お湯は40度前後のぬるめにします。

 

■入浴方法

ストーマ装具をつけたままでも装具をはずしても入浴することが可能です。装具をつけたまま入浴する場合は事前に必ず便を捨てておき、折り畳んでテープなどで留めるとよいでしょう。採便袋は撥水加工されていますが、脱臭フィルターに水が入らないよう、装具の箱に入っているフィルターシールを貼りましょう。

袋の裏のカバーをめくる。製品箱に入っているおたまじゃくし形の白いシールをフィルターの穴に貼る(入浴後はシールをはがす)。

 

 

ストーマ装具を外して入浴しても体内の圧はお風呂の水圧より高いため、ストーマからお湯は身体に入りません。

 

【外出・旅行】

体力が回復してきたら、外出や旅行もできます。最初は近所の散歩程度からはじめてみるとよいでしょう。あらかじめ外出先のトイレの場所を確認しておくと安心です。

 

●通常の外出時に必要なもの

□ストーマ装具、アクセサリー類
(フリーカットタイプの面板(皮膚保護剤)はあらかじめ孔をあけておく)
□ティッシュ
(トイレに流せるポケットティッシュ/ウェットティッシュ)
□洗浄剤
□ビニール袋(装具廃棄時に使用)
□洗濯バサミやクリップ(装具交換時に衣類を溜めておく)
□緊急時の装具の入手連絡先

 

●旅行に持って行くと便利なもの

□宿泊日数分のほか、予備の装具やアクセサリー
□ストーマ用ハサミ(フリーカットタイプの面板(皮膚保護剤)をご使用の場合)
□防水シーツ(宿泊先で漏れが心配な場合に)
□下痢止めや便秘薬
□入浴用の小さくて目立ちにくい装具

外出・旅行
公共機関の割引 身体障害者手帳の提示で電車、飛行機、バスなどの運賃割引を受けることができます。

 
■「オストメイト対応トイレ」について

設置が進んでいる「だれでもトイレ」や「多機能トイレ」などの中には、「オストメイト対応トイレ」もあります。ストーマ保有者の利便性を考えた設備になっていますので、外出先にあればぜひ利用しましょう。

 

●設置場所

主に公共交通機関(JR・私鉄・地下鉄)の施設構内、社会福祉施設、官公庁施設、デパート、ショッピングセンター、美術館・図書館、また空港や高速道路パーキングエリア、病院などにも設置されています。入口には右のマークが表示されています。

 

●主な設備

「オストメイト対応トイレ」は、便を排出して流すだけでなく、お腹を洗ったりするのに必要なシャワー、使用済み装具を廃棄する汚物入れなどを備えています。また、衣服を汚してしまった場合の着替え台などが設置されていることもあります。

 

オストメイト対応トイレ

 

オストメイト対応トイレの表示
東海道・山陽新幹線N700系にはオストメイト対応トイレが設置されています
「オストメイト対応トイレ」の設置場所などの情報については、オストメイトJPのホームページでご確認下さい。

 

コロプラスト ストーマケアと暮らしのガイドブックより抜粋