ヘルシーライフ
「紫外線対策」を本格的に始めましょう
「まだ夏じゃないのに、もう紫外線対策を始めなくてはいけないの?」と思うかもしれませんが、5月に入ると紫外線が急激に強くなり、晴れる日も多いため、量もグッと増加します。その量は8月に向かって増える一方。この時期からの本格的な紫外線対策が必要です。
地表に降り注ぐ紫外線は、波長の長さによってUVAとUVBに分けられます。UVAは肌の奥深くまで達し、肌の弾力や張りを保つコラーゲンなどをつくる細胞に作用して、その機能を低下させ、しわ、たるみをつくります。UVBは表面の角層の下にある色素をつくる細胞に作用し、シミの原因になったり、細胞をがん化させることもあります。
紫外線の影響は皮膚だけにとどまりません。長時間紫外線を繰り返し浴び続けると、紫外線角膜炎や、白目の表面を覆う結膜が翼状に黒目に侵入する翼状片、目の水晶体が濁る白内障などが起こりやすくなります。また、免疫の働きが低下し、唇やその周辺に水泡ができる口唇ヘルペスが引き起こされることもあります。
おくすり手帳の情報は、まさにこうしたお薬の二重投与や相互作用、副作用の危険を避け、お薬を安全に使うために役立つのです。
紫外線のトラブルを防ぐには、紫外線を浴び過ぎないよう心がけることが大切です。晴れの日はもちろん、曇りや雨の日も要注意です。晴れの日を100%とすると、曇りの日は約60~80%、雨の日でも30%ほどの紫外線が地表に届いています。また、直射日光のほか、空気中で飛び散る散乱光もあるので、日陰でも日なたの約50%の紫外線が届きます。紫外線はあらゆる角度から肌に届いていると認識し、しっかり防ぐことが大切です。
外出時には、つばの広い帽子をかぶったり日傘をさしたり、長そでの服を着用しましょう。目への悪影響を防ぐため、UVカット率の高いサングラスをかけましょう。顔や手など、衣服では防ぎきれない部分には日焼け止めを塗りましょう。最近はさまざまな種類の日焼け止めが出ています。耐水性の強弱や紫外線吸収剤の有無など、商品によって特徴が異なるので、購入の際は薬剤師に気軽におたずねください。
高血圧や高脂血症、痛み止めなどの薬を使用している場合、特に注意したいのが光線過敏症です。普通であれば問題のない紫外線量でも、顔や首、耳、手など紫外線が当たった部分の皮膚が赤くなる、ぶつぶつができる、腫れて水泡ができる、かゆみが生じるといったアレルギー症状が現れることがあります。こうした症状が現れたときはなるべく日光を避け、速やかに主治医や皮膚科医、もしくは薬剤師にご相談ください。
<イラストレーション>堺直子